「申込証拠金」ってなに?~予約に必要なコト
マイホームの契約時には、購入意思を示すため「申込証拠金」や手付金を支払います。また申込証拠金は、最低でも数万円〜10万円前後の費用が必要です。
本記事では、申込証拠金の金額や渡すタイミングのほか、支払いで気をつけるべきポイントについて解説します。
申込証拠金の役割について
申込証拠金は業者に対して購入の意思があることを示す場合に支払うお金で、「申込金」と呼ばれることもあります。
申込証拠金は
- 物件の購入予約
- 他の人に売却されないために物件を押さえる場合
などに支払います。
もし同じ物件をほかの人も検討している場合、申込証拠金を支払って購入予約をしておくと有利になります。
なお、最近は申込証拠金を必要としないケースも多くあります。
住宅ローンで知っておきたい用語㉗: 申込証拠金と手付金の違い
申込証拠金と手付金の違いを整理しておきましょう。
申込証拠金 | 手付金 | |
---|---|---|
支払う時期 | 物件の購入予約時 | 購入の契約時 |
金額 | 数万円~10万円まで | 物件価格の10%以下(新築物件で未完成の場合は5%以下) |
キャンセルしたとき | 返金される | 返金されない |
契約後 | 手付金の一部に充当される | 頭金の一部に充当される |
このように申込証拠金は金額も少ないですし、購入をキャンセルした場合は返金されます。
もし気に入った物件があり、即契約しない場合でもほかの人に取られないために押さえたいときには申込証拠金を支払って仮押さえや購入予約をしておきましょう。
申込証拠金の金額・数万円〜10万円まで
申込証拠金の金額に特に決まりはありません。一般的には数万円から高くても10万円までです。
物件の相場によっては数千円を支払うというケースもあります。
メモ:申込証拠金を渡すタイミング
申込証拠金は物件を予約したいときや、「これを買おうと思っています」と意思表示をする際に支払います。
その場で契約書は書かないけれど、とりあえず押さえておきたいというときが支払いのタイミングです。
多くの場合、初めて物件を見に行って即決することは少ないはずです。 複数の物件を見て比較検討し、「やっぱりこれにする!」という場面で業者に支払うのが申込証拠金です。
購入の意思を伝えるときは、申込証拠金として数万円を準備して行くといいでしょう。
申込証拠金で、注意したいこと
注意点① 申込証拠金と手付金の違いをよく知ること
申込証拠金を支払った段階は、まだ契約を交わしていない状況です。
きちんと売買契約書を交わして手付金を支払ったら、住宅ローンの審査結果を待ちます。
ローンの審査が通ったら契約締結となります。
そのため
手付金の支払い=契約
ということになり、その後にキャンセルしても手付金は戻ってこないので注意しましょう。
注意点② 申込証拠金に法的な力はない
申込証拠金を支払ったから、その物件が確実に自分のものになるとは限りません。
申込証拠金には法的な力はないために、ほかの人がより高値で購入したいと申し出た場合は、そちらに決まることがあります。
申込証拠金は返金されるので心配はありませんが、申込証拠金は購入を保証するものではないということを理解しておきましょう。
契約が成立しなかった場合、申込証拠金は返還される…?
もし契約が成立しない場合や買い主の都合で購入予約をキャンセルする場合は、申込証拠金は返金されます。
ただし、業者によっては返金しないと主張してトラブルになることがあります。
その際の対応方法を知っておきましょう。
安易に書類に署名をしない
申込証拠金を支払う際に業者が書類に署名を求めることがありますが、どんな書類なのかよく確認しましょう。
業者によっては
「購入申し込みをキャンセルしても申込証拠金は返金されません」
と書いた紙に十分な説明もなく署名させることがあります。
顧客も「そういうものか」と安易に署名すると、取り戻すことができません。
くれぐれも署名・押印する場合は書類の内容をしっかり確認するようにしましょう。
預かり証を書いてもらう
キャンセルしたら申込証拠金を返金する旨を書いた「預かり証」(または領収書)を発行してもらうと安心です。
もし返金できないと言われたら…
もし返金できないと言われた場合は
「申込証拠金はキャンセルすれば返金されるものですよね」
とはっきりと主張することが重要です。
業者の言いなりになっていると泣き寝入りすることになります。
そのようなトラブルを避けるためにも、「預かり証」を書いてもらうことをおススメします。それが返金の証拠になりますし、「この客は法的なことを知っている」というイメージを与える効果があります。
その後の交渉や手続きでもいちもく置くようになりますよ。
キャンセルする場合は早めに伝えること
業者は申込証拠金を支払ったんだから購入する意思が強いと解釈しています。その物件は「商談中」となり、ほかの購入希望者がいても断ってしまいます。
それなのに契約を先延ばしにしたり、長い間検討してキャンセルしたりすると、迷惑がかかります。
キャンセルするなら早めに申し出ましょう。
申込証拠金でトラブルにならないよう、契約書は何度も確認しよう!
物件の購入申し込みに行く際には、申込証拠金を持参すると話が早く進みます。
申込証拠金には決まった額はありませんが、業者が設定している場合はそれに従いましょう。
高くても10万円程度なので、準備していくことをおススメします。
申込証拠金を支払う際には書類を何度も確認し、キャンセルしたら返金されることを預かり証などに書いてもらいましょう。
なお、契約時には手付金が必要です。手付金は分譲マンションや中古物件の場合は物件価格の10%まで、未完成物件の場合は5%までとなっています。
もし4000万円の物件を購入する場合は10%の400万円が必要になります。ほかにも諸費用がかかるので、それも含めて手持ち資金は多めに準備することが重要です。
(手付金は頭金に充当されます。)
申込証拠金は手付金の一部として充当されます。
いい物件を逃さないためにも早めに準備をして業者に購入意思を伝えましょう。